古民家レンタルスペースの収益モデルと運営ポイント

◆ はじめに:一番ハードルが低い。でも「やりがい」はどう?

古民家ビジネスの中でも、最も始めやすいのがレンタルスペース運営。民泊のように旅館業法の許可は不要、カフェのように厨房投資も不要。最低限の改修と家具でスタートでき、副業で試したい人に向きます。

一方でよく聞くのが、「収益は悪くないけど、運営していて楽しくない」という声。民泊はゲスト交流、カフェはお客様の笑顔があるのに対し、レンタルは「貸して終わり」で淡々と感じる人もいます。

この記事では、この向き・不向きネガティブイメージも含めて等身大に整理し、収益モデルと運営のコツを具体的にまとめます。


収益モデル

収入はシンプルに「利用料 × 利用時間 × 稼働率」で決まります。

  • 改修費:150〜300万円(最低限の整備)
  • 利用料:1時間 2,000円
  • 稼働率:月100時間(1日4時間 × 25日)

目安:月約20万円/年約240万円。撮影案件が取れる物件なら、1日5〜10万円の単発案件で単価が跳ねることも。


メリット

  • 初期投資が低い(厨房・宿泊設備が不要)
  • 多用途で使える(撮影・イベント・会議・ワークショップ・展示)
  • リスク分散(複数ジャンルの利用者を取り込み可能)

デメリット/ネガティブイメージ

  • やりがいが薄いと感じる人も(交流が少なく「貸して終わり」になりがち)
  • 稼働に波がある(土日は埋まりやすいが平日は空きやすい)
  • リピーター化が難しい(利用者が毎回変わり固定化しにくい)

事例:成功と失敗(モチベーションの差)

Eさん(東京郊外):撮影需要を狙いインテリアに投資。SNS経由で予約が増え、月50万円超の収益に。

Fさん(地方都市):地域ニーズを調べず開始。稼働が低く、「収入はあるが楽しくない」と1年で閉鎖。

数字だけでなく、自分が楽しめる運営スタイルかも継続の鍵。

運営のポイント

  1. 利用ルールを文書化(ゴミ・騒音・原状回復・利用時間を契約書に明記)
  2. 予約管理はシステム化(カレンダー連携/予約サイトでダブルブッキング防止)
  3. 安全対策(消火器・避難経路・保険加入は最低限)
  4. 集客チャネルの複線化(スペースマーケット+SNS+地域掲示)
  5. 平日稼働の底上げ(地域サークルの定期利用・常設展示でベース稼働を作る)
  6. “自分の楽しみ”を設計(ワークショップ主催や展示キュレーションで関わりしろを作る)

◆ まとめ:楽しさより「効率と安定」を重視する人向け

  • 向いている人:副業で安定収益/初期投資は最小限/人間関係より効率重視
  • 向かない人:交流がやりがい/ホスピタリティ提供が好き(→ カフェ民泊 検討)