古民家物件の探し方と選び方(空き家バンク/不動産/地域ネットワーク)
◆ はじめに:最初の壁は「物件が見つからない」
「古民家でカフェや民泊を始めたい!」――そう思って調べても、ネットには情報が少なく、問い合わせても返事がない、現地は写真と違う…というのはよくある話。実は“物件探しの段階”で挫折する人が少なくありません。
この記事は、見つけ方の3ルートと選び方の判断軸を、実例と具体アクションを交えて解説します。読み終えたら「今すぐやること」がハッキリします。
物件探しの3つのルート
① 空き家バンク(自治体窓口)
- メリット: 価格が安い(数十万〜200万円台も)、補助金対象になりやすい、自治体の関与で安心。
- デメリット: 掲載数が少ない、人気物件は即消える、契約まで長期化(数か月〜)しやすい。
実例: 長野県で150万円の古民家を購入。補助金活用で改修費を圧縮しオープンに成功。ただし契約まで8か月かかり、その間は事業計画を都度見直す必要があった。
行動のコツ: Googleで「(市町村名) 空き家バンク」検索 → 気になる物件があれば担当課へ電話して①内見可否 ②補助金対象か ③募集状況を確認。
電話トーク例:「空き家バンクのNo.12の内見希望です。事業用途(カフェ/民泊)を想定していますが、補助対象になる見込みはありますか?」
② 不動産会社(古民家・田舎暮らし専門)
- メリット: 情報量が多い、契約スピードが早い、未公開情報を持っている場合も。
- デメリット: 価格は高め、古民家知識の薄い担当だと改修コスト見積りが甘くなりがち。
実例: 岐阜で立地重視で購入 → 耐震補強に+200万円が発生。土地・建物価格だけで判断すると失敗する典型例。
行動のコツ: Googleで「古民家 不動産 (県名)」検索 → 古民家担当の指名を前提に来店予約。初回面談で①用途 ②上限予算 ③改修の優先順位を共有。
③ 地域ネットワーク(工務店・紹介・移住窓口)
- メリット: 市場に出る前の“隠れ物件”に出会える、価格交渉の余地があることも。
- デメリット: 人脈・信頼関係が前提、やり取りが口約束にならないよう注意。
実例: 地域の工務店に「古民家を事業用で探している」と伝え、空き家バンク掲載前の物件を紹介→早期に合意。改修も同工務店が担当し工程短縮。
行動のコツ: ①工務店 ②移住相談窓口 ③商工会をルート化して同時並行で相談。「事業化したい前提」を最初に伝えると紹介の輪が広がりやすい。
比較で選ぶ:あなたに合うルートはどれ?
項目 | 空き家バンク | 不動産会社 | 地域ネットワーク |
---|---|---|---|
価格の安さ | ◎(数十万〜) | △(相場〜高め) | ◯(交渉余地あり) |
スピード | △(遅い) | ◎(早い) | ◯(紹介次第) |
情報量 | △(少なめ) | ◎(多い) | ◯(ピンポイント) |
補助金との相性 | ◎ | ◯ | ◯ |
向いている人 | 時間をかけて安く探したい | 早く決めたい/選択肢を見たい | 地域と関係を作りたい |
失敗しない選び方チェックリスト(保存版)
- 耐震:補強に100〜300万円を見込む(古い基礎は要注意)。
- 水回り:キッチン/トイレ/給排水の更新は高コスト化しやすい。
- 立地:駐車場の確保、観光動線、最寄りIC/駅からの時間。
- 法令:消防・建築基準を満たせるか(民泊・飲食は特に)。
- 改修費:購入が安くても、改修で500万円超は珍しくない。

古民家再生の費用と採算ライン【回収シミュレーション】
◆ はじめに:最初に気になるのは「いくらかかるのか?」
古民家を事業に活用しようと思ったとき、最初に立ちはだかるのが「お金の壁」です。「古民家...
今日からできる具体アクション(テンプレ付き)
- 自治体に電話(空き家バンク)
テンプレ:「空き家バンクNo.◯◯の内見希望です。用途は(カフェ/民泊)想定で、補助対象や手続きの流れを教えてください。」 - 不動産会社に面談予約
伝える3点:①用途(例:カフェ20席)②総予算(物件+改修)③優先順位(立地 or 建物状態) - 地域ネットワークへ相談
工務店・移住相談・商工会に「古民家を事業で使う予定。探している旨」を共有→連絡先を残す。 - 内見時の確認メモ
見るポイント:構造(傾き/蟻害)、水回り導線、避難経路、近隣との距離感、駐車場。 - 見積りを2本並べる
DIY前提見積り/業者フル見積りの2パターンで費用と工期を可視化。

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◆ まとめ:物件探しは「縁」と「準備」を同時に
- 探し方は空き家バンク/不動産会社/地域ネットワークの3本柱を同時に動かす。
- 選ぶ基準は耐震・水回り・立地・法令・改修費の5点を必ずチェック。
- 出会いは突然来る。電話テンプレ・内見メモ・見積り2本立てを先に用意しておく。
まずは「(地域名) 空き家バンク」で検索→担当課に電話。動けば、縁は近づきます。